「なんと!14品種もの米を栽培する農家。」
遠藤秀明さん優実さん夫妻は、喜多方市熱塩加納町の田んぼ・畑で多くの作物を生産。
また、喜多方の市街地で「食育工房ひまわり」を運営しています。
遠藤さん夫妻の農業は、地域の気候風土を知り尽くしたうえ、習得してきた農業技術を実践しています。
秀明さんは、20歳でヨーロッパへ農業研修に行った際、当たり前にオーガニック栽培をしていることに衝撃を受けた。
代々続く農家を継ぐ秀明さんは、就農3年目から25年の年月をかけ、有機農業のさまざまな経験を積んできた。
温暖化による未曾有な気候変化の状況でも、適切な栽培手法により、目標とする作物の出来も実現させる。
この裏には、肥料と病害虫対策に大きな苦労があるものの、
「それは私たちにまかせてくれ!」
と、力強い姿を見せる。
遠藤さん夫妻は、極力、化学肥料や農薬に頼らず、有機農業の手法を用いた農業で「地球にやさしく、安心して食べられる作物」を提供することを最優先にする。
肥料は、もみ殻・米ぬか・煮干しカス・コーヒーカス・野菜くずを、EM菌の活動により肥料化させたものを主に用いる。
畑には、肥料の山があり、4年の日時を経過した肥料が最も優れているという。
そのほか、雑草を畑に漉き込んだ緑肥も積極的に活用する。
割れ米などを飼料として使い、鶏の腸を通した鶏糞の利用を目的とし、鶏の飼育も行っている。
「もともと自然に存在するモノを、いかに有効に使用するか」
ここに並々ならぬ情熱を注ぐ。
作っている米の品種を並べてみよう
・五百川
・つきあかり
・つや姫
・ひとめぼれ
・ササニシキ
・コシヒカリ(富山)
・コシヒカリ(会津)
・こがねもち
・亀ノ尾
・古代米(黒米)
・古代米(うるち)
・赤米(もち)
・赤米(香り米)
・インディカ米
これらの米は、「食育工房ひまわり」での直販のほか、「おむすび」として提供もする。
また、カレー屋さんからの依頼で生産しているインディカ米もある。
「なぜ日本でインディカ米?」
という素朴な疑問を抱く。
「飲食店が輸入米への品質不安を持っており、日本国内で安心して生産を任せられる農家を必要としている」
こんな付託に応える農業も、遠藤さんのスタイルだ。
田んぼでは、慣行栽培の田んぼとの間に、ビオトープのような緩衝地帯を作る。
益虫が住み着き、遠藤さんの田んぼだけにチョウチョが集まってくる姿があった。
稲の葉の色も、力強い緑が映え、明らかに慣行栽培の田んぼより色が濃い。
秀逸な栽培技術に、「驚き」を感じる。
米のほか、小麦の生産にも力をかけている。
昨年は、「ゆきちから」「春よ恋」「スペルト小麦」「デュラム小麦」「ライ麦」を手がけた。
カレー屋さんの例と同じように、安心安全のため、国産小麦を用いたパン製品や麺製品の潜在的需要が存在する。
今年は、福島県内のパン屋が共同で行った「あいづ新麦コレクション」に生産した小麦を提供。
「安心・安全の食品づくり」への取り組みが続く。
畑では、伝統野菜の栽培もおこなう。
会津の「余蒔きゅうり」や、熱塩加納の「かんどうかぼちゃ」など、古くから地域に伝わる作物を大事に後世に伝える活動も忘れない。
きゅうりのツルを這わす棚には、竹が持つ抗菌作用を病害虫対策に使う有機農業の手法が用いられていたことも印象的である。
そのほか、グリーンツーリズムの農業体験や、農園独自での親子による田植え・稲刈り・芋ほりなどの受け入れも実施。
田畑で”つくる”ところから”食べる”ところまで、一貫した農食育にも力を入れる。
「食育工房ひまわり」では、これらの生産品をもとに加工・調理を行うワークショップを開催。
「地球にやさしく」
「カラダにやさしく」
をモットーに、栄養士として論理的な裏付けを付け加え、消費者の食生活の質を向上する活動も情熱的に行う。
他の有機農家の生産品ともつながる「セレクトショップ」的な”店づくり”にも余念がない。
「あいづ朝市」には、さまざまな品種により作られた「おむすび」のほか、小麦からの加工品や伝統野菜などが出品される。
会津の地力(じちから)を大きく引き出し出来上がった品物には、遠藤さん夫妻の技術・想い・情熱が凝縮。
遠藤さん夫妻は、
「あいづ朝市の会場で、季節ごとにぜひご覧いただきたい」
と、明るい顔をのぞかせる。
食育工房ひまわり |
住所 福島県喜多方市字一丁目4599-1 |
電話 090-7937-0276 |
定休日 日曜日・月曜日・火曜日 |
営業時間 10:30~14:30 |
イベント出店や農作業で臨時休業や営業時間の変更があります。 SNSにて随時情報発信をしています。ご確認くださいませ。 |