「かわいい!」
「ひとめ惚れしました」
と笑顔を見せ、養豚を営む喜多方市の長谷川優奈さん。
東京の農業高校で学んでいたとき、「かわいい!」豚たちに出会った。
続いて、黒豚のブランド産地として名が響く鹿児島県の農業大学校で、養豚を専門的に学ぶ。
さらに、養豚を実践するための研修先として選んだのが、喜多方市の養豚農家だった。
園芸を学んだ兄、食品加工を学んだ弟に囲まれた家族は、すでに一次産業の付加価値を高める六次化の素地があった。
ここに、流通・販売の第三次産業分野を父・清人さんが受け持ち、家族で六次化を完結させる新しいスタイルを目指したのが、長谷川さんファミリーだ。
養豚の研修先と、清人さんが山都町一ノ木(現喜多方市)の出身だったことから、なじみのある喜多方で、養豚を中心とした六次化ビジネスを2020年春からはじめた。
商号の「クラインガルテン」は、ドイツ語で「小さな農園」を示す言葉。
「目の行き届く小さな農園運営をしたい」という想いが込められている。
現在は、常時10頭程度の豚を飼い、月に一度、出荷をする。
密飼いをせず、のびのびと育てる「会津ひまわり豚」は、「ハーブ」と「ひまわりの種」を飼料に使う。
お求めになったお客さんからは、「臭みが少なくおいしい」という声が寄せられる。
いまは、間借りしている豚舎で運営しているが、独自の直営豚舎への展開を計画し、安定的な出荷体制の構築も視野に入っている。
弟の優弥さんは、食品加工を受け持つ。
専用の加工所では、メンチカツを中心とした加工品の生産を行う。
「おいしく、身近にお召し上がりいただける加工品を作りたい」
という願いを心に作業に励む。
姉の優奈さんが育てた豚肉に、付加価値をつける役目だ。
父・清人さんは、キッチンカーを用いた流通・販売を受けもつ。
豚串、揚げメンチカツ、焼きそば、サンドウィッチなど、キッチンカーでの調理を経て、街の人々に販売をする。
2020年7月「あいづ朝市」に初出店して以来、他の出店者が生産する作物や加工品などとコラボした商品開発を繰り返し、新商品の提供に余念がない。
「ぎょうざ」「肉まん」を販売したいと、まもなく実現しそうな夢も語る。
「会津に戻ってきたら、”歴史”に興味が湧いてきたのです」
「かつては、あまり興味がなかったのだけれどもね」
「そうしたら、海はなくても会津は”水の都”であることに気付いたんだよ」
「豊かな水」は、ひとびとの暮らしにはとても魅力的で、ここには素材がたくさんあると言う。
家族での小さな六次化を超え、地域で生産活動を行う他の事業者さんとコラボレーションし、相乗効果により地域全体を豊かにしてゆく大局観をも見据える。
いつも新たな可能性を求め、躍進する長谷川ファミリーから、今後も目が離せない。
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