南郷まるっとまとSHOP

東北随一のブランド「南郷トマト」は、会津のたからもの。

トマトの産地「南郷」(福島県南会津町)を、100年先でも持続させるために奔走する人がいます。

(株)食農価値創造研究舎の近藤一夫さんです。

農協のトマト担当として営農指導や販路開拓で活躍していた近藤さんは、2017年8月に自らの事業を起業。

近藤さんの推しは、「南郷トマト100%ジュース『夏秋』(かしゅう)」

加工所で、出来立てホヤホヤのトマトジュースを持つ近藤さん。「食の三重丸」に認定された逸品に成長しています。

このトマトジュースの開発ストーリーを紹介しましょう。

かつての農協勤務時代、流通にのらない規格外トマトから作る「トマトの缶ジュース」の開発に携わった近藤さん。

有効利用されない規格外品が出てしまう農家の悩みを救う、大きな仕事をしました。

しかし、原材料として必要な一定量の規格外トマトを集めるには、ある程度の日数がかかります。

規格外トマトの入ったコンテナ

これを加工業者に引き渡す際、せっかく美味しい状態のトマトなのに、加工するまで何日も置いてしまうのはもったいないと感じていました。

「産地で直接、最高の鮮度のものから加工をすれば、いままで以上の価値があるのではないだろうか」

近藤さんには、そんな想いがありました。

トマトは、適切に熟した状態「適熟」を過ぎると、熟しすぎた状態「過熟」になります。

南郷トマトなので、酸度が落ちても十分美味しいですが、どうせならとその酸度にもこだわります。

真っ赤になったトマトは、よく「完熟」と表示され、おいしそうに見えるものの、これは過熟の状態。

「せっかく産地にいるのだから、適熟の状態で加工するほうがよい」

そんな「ものづくり」の原点からはじめました。

トマトをゆでる初期の工程で使用する大きな窯

生産をはじめると、新たなことに気づきます。

適熟の状態からマイナス18℃以下で冷凍すると、品質を維持しながらトマトの細胞壁が壊れ、グルタミン酸の旨みをより引き出せることや、抗酸化作用を持つリコピンの吸収率が上がることにも注目しました。

大型の冷凍庫も用意し、いつでも最高のトマトジュースを生産できる体制を整えたのです。

農家さんのさまざまな栽培条件により、原材料に含まれる水分が異なることから、製造過程では、瓶詰め前の粘度調整を行う工程があります。

粘度を調整する大きな鍋

このとき、灰汁(あく)を丁寧に手作業ですくい、”えぐみ”と”あおくさみ”を取り除きます。

出来上がる製品は、すっきりとしつつ、糖度満点、適切な酸度、旨みが凝縮という、素晴らしい品物に仕立てあがりました。


地域で生産される原材料に、付加価値をつけることを実践してきた近藤さん。

飽くなき探究心を持つ近藤さんは、ほかの産地の農家や飲食店などとの共同開発事業を拡げていく夢を持ちます。

右手前は、桑の実を生産する方とのコラボ商品

近藤さんにとっての「商品」は、「地域と地域」あるいは「人と人」をつなげる媒体としての価値を第一に考えるもの。

「あいづ朝市」の売り場には、「とまとラーメン」がお目見えしたり、養豚農家「クラインガルテン」が販売する会津産材料にこだわったホットドック「会ドック」のトマトケチャップとしてコラボしたりと、着々と夢を現実化させています。

とある日の「あいづ朝市」売り場風景

近藤さんが「いま、どんな新しいことをしているのか?」を興味深くみてみると、「あいづ朝市」でのお買い物は、

「みなさんと会津の接点をどこかに感じる」

そんな楽しみが浮かび上がります。

「あいづ朝市」の会場で、ぜひ近藤さんとのコミュニケーションをお楽しみくださいませ。


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