あいづのパン工房の長谷川です。
今回は、会津若松市街地で毎年1月10日に行われる「十日市」の話題です。
この写真は、大町四つ辻近くにある「会津商人司 簗田家屋敷跡」に立つものです。
商人司とは、商人の親方、いまでいえば商工会議所会頭というような役職でしょうか。
市場の確保と拡張、並びに商人の支配と保護を任じられたのが簗田家です。
時は至徳元年(1384)葦名直盛公の時代、城下の安泰、五穀豊穣及び商家の発展を祈願して景気相場の行方を占って「俵引き」を執行。このとき、住吉大神と春日大神の2神を祭り、本年の豊作を祈願しました。
俵引き終了後に市を開き賑わったのが、「十日市」の起源です。簗田家が中心的な役割を担っています。
この習わしは、会津各地に飛び火し、現在でも各地で「初市」が開かれ、「俵引き」は高田と坂下に残っています。
残念ながら会津若松の俵引きは、戊辰戦争後の明治4年(廃藩置県の年)を最後に廃止されてしまいましたが、初市の習わしは現在まで伝わっています。
「十日市」には、「住吉大神」と「春日大神」を祭る櫓が置かれ、従来はこの2神の間を神域として、ここで俵引きと市が立てられました。
現在はこの櫓の他、神明通りの神明神社に「市神」も祭られます。十日市の起源を感じながら初市もお楽しみいただきたいと思います。
「あいづ朝市」出店者も、「十日市」に出店するお店もございます。ぜひ、探してみてくださいませ。